青空ハズム・リズム

青空ハズム・リズム

ハズム・リズム（左）

　人　物

　青空あおぞら ハズム
　・本　名　古川久勝
　・生没年　1941年～ご健在
　・出身地　福島県郡山市

　青空あおぞら リズム
　・本　名　芦川秀朗
　・生没年　1944年10月20日～ご健在
　・出身地　静岡県浜松市

　来　歴

　青空ハズム・リズムは戦後活躍した漫才師。コロムビアトップ・ライトの門下生としてデビューを果たしたが、あまり長くは続かなかった。ハズムは後にローカルタレントとなり、リズムは「青空ピック・アップ」、さらに「夢大作」と改名。女流漫才の海原千里・万里の万里と結婚して話題になった。

「師匠を語る　～青空ハズム・師匠コロムビアトップを語る～」の中で詳しく語っている。大体の内容を記すと――

　1963年3月、学校を卒業して、就職もどうするかと考えていた中で、神宮公園近くに遊びに行った際、コロムビアトップ・ライト率いる「トップライターズ」が草野球をしていた。どういうわけか1人欠けてしまった。するとトップが「そこの若いの」とハズムに声をかけ、「野球できるか？」と尋ねた。「できます」と答えると「じゃあユニフォームに着替えてセカンド守ってほしい」といわれた。
　セカンドを守っているとボールが顔にあたり、メガネが壊れてしまった。トップに「直してこい」とカネを貰い、それがきっかけとなって、「お前、暇なら楽屋番でもしてくれないか」といわれた（当時、トップライトは楽屋トンビが多く、置き引きをよくされていたという）。
　次の日、トップ邸を訪ねると奥さんが出て、「もう弟子は取りません」とけんもほろろの挨拶、押し問答で粘って玄関に居座っているとトップが帰ってきて、「何しているんだ？」「師匠、昨日弟子にするとおっしゃったじゃありませんか」「ああそうか」。これで内弟子になった。

　師匠のトップは「3年辛抱しろ、1年目は芸界のルールを覚えろ、2年目はどんな芸人になりたいか考えろ、3年目には顔を売れ、そうすれば4年目にはお前一人前になれる」と教えたという。

　ハズムは9年ほど、師匠の内弟子として使える事となった。

　リズムこと「夢大作」は、上方漫才のスター・海原万里と情熱的なゴールインを果たした事もあってか、当時の芸能雑誌に経歴が記されている。『週刊平凡』（1977年1月6／13日号）の「海原千里・万里が芸能界を引退！」の中に――

　彼は昭和19年、静岡県浜松市で生まれた。子供のころからおしゃべりや芝居が好きで、浜松商業高校を出たあと、地元でしばらくセミ・プロとして司会の仕事をつづけた。
　やがて21歳のとき、ある人の紹介で青空一夜に弟子入り。上京して4年目に、『青空ハズム・リズム』というコンビのリズムとして漫才をやるようになった。その後、このコンビを解消、新しく『青空ピック・アップ』というコンビを組み、漫才をやったり都はるみの舞台をつとめたりした。何度か漫才コンクールに出た事もあるが、あと一歩のところで、いつも入賞を逃すという不運がつづく。
　そのうえ相手のアップが病弱なため、50年6月にはついにコンビも解消。以後、〈夢大作〉として、司会業に専念するようになった。

　とあるのが、コンスタントにまとまっていてよい。

　一方、青空うれし氏などは「一夜さん頼ってトップさんのところに来たはずだが」と語っていたりする。わからない。

　1970年頃、コンビを結成。名字が「古川・芦川」なので、トップや兄弟子たちから「青空古川・芦川でいいじゃねえか」とからかわれたという。

「弾むリズム」の名の通り、コロムビアレコードの司会漫才として当時売り出しの都はるみの一座に加入。司会漫才として売り出したが、1972年頃、解散してしまった。

　ハズムはコンビ解消を機に漫才界を退き（数年間は漫才協団に在籍）、司会漫談家とタレントに転身。

　全身で体当たりするレポートぶりは高く評価され、『友竹正則のお早うニッポン』『朝はおまかせアンコーです』『ほがらか歌謡曲』『お早よう喫茶』のレギュラーなどを獲得。

　特に『お早よう喫茶』は早朝から街に繰り出してレポートをする――という体当たりぶりを発揮し、早朝族から慕われたという。

　また、「ふるさと再発見」といったローカル番組でも活躍、相応な人気を築いた。

　一方のハズムはコンビ解消後、弟弟子の久保田清司と「青空ピック・アップ」を結成。青空アップと改名している。

　このコンビは相応に売り出したが、長続きはしなかった。この経歴はまた別項に記す。

　1976年8月、「青空ピックの病弱」を理由にピック・アップのコンビ解消。「夢大作」と改名し、西川峰子の専属司会者として長らく巡業に同行していた。

　1977年6月、上方漫才の大スター・海原万里と結婚し、注目を集めた。これを機に漫才界から足を洗ったという。