東京漫才の目醒めと息吹

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東京漫才の目醒めと息吹

・東京漫才の発展

 震災以後、堰を切ったように漫才が東京に進出し、少しずつ根を下ろすようになった。当初は安来節や演芸会などといった浅草界隈で流行る一過性の流行だったものが、徐々に認知されるようになり、多くの批判や皮肉を浴びながらも寄席や劇場へと出演するようになった。

 以下の記載は、その頃の『都新聞』に掲載された漫才師の出演記録や漫才大会の記事を抜粋したものである。なお、喜代駒独演会なども多いので、東喜代駒の動向は、喜代駒の頁を参照にして下さい。

1924年

8月30日  ▲帝京座 今回より安来節の花形大津検番の花奴が出演する他関西万歳、玉子や、源丸、立美、三好も加入

12月21日 ▲三幸劇場 安来節大會番外として初上京の安来杵丸、臼五郎が廿日より加入安来名物「餅の曲搗」を出す

1925年

1月3日  ▲三幸劇場 出雲ろく八重いと大合同安来節大会 新加入 安来杵丸 安来臼五郎 玉子家利丸 

2月18日 ▲三幸劇場 十八日より桃の家隆子、小櫻金之助加入

7月16日 ▲御園劇場 安来節従来の一座へ歌道楽花輔加入

8月13日 ▲御園劇場 安来節一座十三日より歌道楽橘の花輔餘興に滑稽一人相撲

11月5日 ▲江川大盛館 安来節一座五日より(追分節)昇玉美音子、同竹流(萬歳)辻井高堂、玉子家利丸新加入

1926年

1月27日 ▲御園劇場 滑稽軽口(豆子、梅子)

3月4日  ▲御園劇場 関西万歳玉子家艶子同末丸新加入

6月19日 ▲浅草劇場 十九日より萬歳花園愛子、桂金吾加入 

10月5日 ▲研究座 六日より阪東隆の家三姉妹一行演藝會で開演

10月8日 ▲研究座 六日より五日間演藝と浪花節一座に安来節隆の家万龍、千龍、百々龍一行加入

12月14日 ▲浅草劇場 十四日より高級萬歳大倉春子大倉寿賀芳(すがよし)、橘の花香(はなか)、橘の花輔加入

1927年

1月6日 ▲御園劇場 大和家三姉妹一座へ荒川小芳林家染団次新加入

2月2日 ▲凌雲座 華嬢経営は一月限りにて二月より松島興行部で経営し各派大演藝會で開場出演者は 初代梅坊主一座、春本助次郎、寶家和楽、港家奈美江、萬歳加藤瀧子、杵屋臼五郎、福本連、染團次、天路幸二、二代目岩てこ 

2月14日 ▲音羽演芸館に源一加入

3月9日  ▲御園劇場 九日より関西萬歳、花園、愛子、桂金吾加入

4月28日 ▲凌雲座 一日より関西萬歳林家染春、同染團次加入

5月4日  ▲江川大盛館 米子検若吉、深田繁子、小櫻金之助、ハレー加入 

6月11日 ▲神田喜楽 十一日夜より小原節安来節競演會桃の家一座小原萬壽、追分一二三、萬歳力丸、桃の家花香、桃香等出演

6月12日 ▲音羽演藝館 十二日より演藝全部差替東喜代志、喜代駒、隆の家三姉妹、隆の家万龍、千龍、百々龍、グルーベル加入

7月4日 ▲凌雲座 日本チャップリン、女梅坊主一座、花の家藝妓連加入

8月3日 ▲凌雲座 變更せる一座は 力春、染團蔵、月子、芳子、仲子、菜種、種二、小鶴、鶴子、時奴、お萬、種春、天洋一座外

8月4日 ▲千歳座 関西万歳、花園愛子、桂金吾、セメンダル、市ちやん、浮世亭駒代、剣舞松尾六郎加入

9月1日 ▲遊楽館 一日より出雲福奴、田村愛子、花の家小奴、文化萬歳都家静代、文雄、珍藝七五三、桃枝等加入

9月5日 ▲遊楽館 諸藝大會へ五日より日本チャップリン、和製メリーも出演し滑稽奇術の種明しを演ずと

9月6日  ▲浅草第二館 女道楽奈美江改め濱の家千鳥、万歳花助、花子加入

9月9日  ▲壽座 万歳芳夫、利夫、金八、小花、花子、花輔加入

9月11日 ▲浅草劇場 初上京萬歳荒川竹春、笑福亭茶福呂等加入

9月14日 ▲御園劇場 お萬一座へ豆子、八重子、琴子、花子加入

10月1日 ▲浅草劇場 一日より関西萬歳大會一座へ荒川ラヂオ、久栄、房丸、小久、時子、茂、竹春、茶福呂、染二、桂公森加入

10月1日 ▲帝京座 松尾六郎、松葉家保子、西村春雄、かほる加入

10月22日 ▲第二館 萬歳小櫻金之助セメンダル、日の丸、源六、源一、花の家娘連加入

10月22日 ▲江川大盛館 安来節清子、歌道楽豊香、萬歳愛之助、捨春、ボラ、國春加入

10月27日 ▲万歳小櫻金之助一座 廿六日より五日間深川衆楽座

12月3日 ▲江川大盛館 三日より万歳東家市丸、小新加入

12月5日 ▲民衆座 五日夜より万歳競演會 東喜代駒、中村力春、荒川ラヂオ、桂駒之助、中村種二、荒川房丸、橘家花輔

1928年

2月8日 ▲帝京座 大和家三姉妹一座へ八日より関西萬歳笑福亭茶福呂、荒川竹春加入 

3月27日 寿座 源一デブ子等加入

5月1日 ▲江川大盛館 節まねお萬出演

5月11日 落語睦会の寄席興行に、セメンダル金之助出演

6月14日 ▲帝京座 十五日より大和家三姉妹一座、萬歳セメンダル、小櫻金之助新加入

6月23日 ▲民衆座 萬歳小櫻金之助、桃廼家セメンダル橘家花輔、デブ子、舞踊川端勝子、丸一潮之助、蝶平加入

6月30日 ▲市村座 一日よりの萬歳親交記念大會に出演する関東関西の顔ぶれは 直之助、朝日、かほる、春雄、保子、六郎、源六、清、啓之助、玉春、清子、染團治、芳春、芳丸、源一友衛小芳、染若、初江、日出男、静子、文雄、駒千代、喜代駒金之助、セメンダル、秀千代、秀夫、花輔、デブ清丸、玉奴、豊丸、小一郎愛子、金吾、力春、力松、小徳、春夫、芳郎、千代治、愛子、秀丸、茶目鶴、仲路、こたつ、夢丸

7月12日 ▲江川大盛館 十二日より安来節演藝會萬歳花輔デブ子加入

9月1日 ▲牛込會館 一日より五日間 花輔、デブ子喜代駒、駒千代、千代次、染春、源一、市太郎、源六、芳夫利丸、小徳等の萬歳に小柳連も加入

9月7日  ▲帝京座 茶目鶴、仲路啓之助、玉春、時之助加入

11月18日 ▲新富演藝場 十八日より清丸、玉奴、圓楽、鶴代、玉枝等の五蝶會

11月22日 ▲水族館演藝場 出雲家ガスタンク、バスケット、小櫻セメンダル、同金之助出演

12月26日 ▲名流大會 廿六日より三日間神田三市場に 圓遊、馬楽、南龍、絃風、登茂江、定子、春之助、小太郎出演

1929年

1月3日 ▲遊楽館 荒川芳一、大倉壽賀若参加 ▲帝京座 大和家春雄かほる参加

2月11日 ▲新富演藝場 十一日より五日間、花の家連、立花家銀猫、同猫丸、岡田小鶴、中村力松、玉春、捨六、玉子家春夫、中村種春等

6月7日 ▲殉難警察官救慰木金寄付演藝會 河村筑水主催で八日夜協調會館に出演者は 左楽遊、小さん、筑陽、出雲友衛、馬楽、筑水、貞山

7月1日 東京落語協会七月上席 上野鈴本演藝場 初御目見得 高級万歳 安子友衛

7月30日 ▲帝京座 丗一日より萬代、デブ子、花輔加入

8月1日 ▲金車亭 日出夫日出丸出演

9月6日 ▲新富演藝場 六日より五日間正次郎、千代次、五九道、春之助、安子、とも江、芳夫源一染団次等の萬歳競演會

10月31日 ▲曲亭馬きん(※三遊亭小金馬この月に改名) 玉子屋源一と共に一日より横濱衛生博へ出演

※この年は、東喜代駒の活躍が目立ち、漫才の広告の半数近くは喜代駒の出演。

1930年

1月5日 ▲江川大盛館 節真似市丸

3月26日 ▲神田喜楽 出羽三、橘三

4月12日 ▲帝京座 十五日より 花奴「文化萬歳」

4月28日 ▲帝京座 丗日よりの新番組は大津検花奴、巴家寅子一座で笑劇「忠臣蔵七段目」喜劇「一萬圓事件」他

5月22日 ▲音羽座 木村時子一黨 万歳 岩てこ、蓉子

6月16日 ▲神田喜楽 十六日より五日間、小柳連、釜仙人、前田鹿子、加代子、花香、一丸、金茶久、出雲巴、安子、みどり、でこ山の演藝會

7月6日 ▲神田喜楽 六日より名流万歳大會 日出夫、日出丸友衛、安子、一丸、金茶久、六郎、和歌子、とんぼ、喜代子出演

7月9日 ▲演藝仲よし會 九、十の両夜、江戸川鈴本亭に、出演者は 絃風、南龍、笛亀、バンカラ与三郎、春之助、若丸、大和家少女連

7月11日 ▲江川大盛館 十一日より〆の家一座、若松家正三郎、玉子家源一、海老一海老蔵

7月12日▲観音劇場 十二日より 東喜代駒、駒千代、梅香家梅香、一徳、砂川一丸、辰奴、東富士子、宝来、小政、太郎、正太郎、静丸、今奴、ぼたん、清子、照子、人形、博次、博王等出演

7月21日 ▲演藝懇親會 橘の榮造とそのグループが出演して廿四日夕五時雷門並木倶楽部に 榮造、君子、光一、光子、夏子、染團治、残月連、三亀松、小芳、房子、千代香、歌吉、梅好、遊輔、鶴蔵、一圓、名良久座、出陣座出演

7月30日 ▲新歌舞伎座 七日より十三日まで變り種の諸藝人を網羅してナンセンス萬歳大會を毎夕五時に開演、出演者は 荒川清丸、玉奴、玉子家吉丸、久奴、松本三吉、政次、轟一蝶、二見家秀子、吉田明月、荒川芳坊、喜楽家静子、林家染團治、加藤瀧夫、瀧奴、東駒千代、喜代駒、大道寺春之助、砂川若丸、東明芳夫、堀込小源太、小幡小圓、清水小徳、八木日出男、大和家初江、大和家雪子、中村直之助、千代の家蝶丸、登美子、玉子家末廣、福丸、浪川奴風、松平操、梅若小主水、砂川雅春、大和家かほる、壽家岩てこ、富士蓉子、朝日日出丸、日出夫、一丸、金花丸、松尾六郎、和歌子、弟蝶、久次、力久、竹乃、亀八、三代孝、デブ子、花輔、正三郎、源一、菊廼家若雀、独唱白井順、混成舞踊石田擁、女坊主澤モリノ外支那曲藝一行等

9月7日 ▲牛込亭 七日より四日間博多家博王一座、出演者は 人形博次、伊達奴、千代松、福丸、市松、小柳、小博、竹丸、芳枝、花子、博柳、音羽、秀峰、小楽、宝楽、博王

9月14日 ▲演藝蟻の會 十五日夜より三日間白金大正館に出演者は 山陽、楽浦、花山、花子、よし子、猿司、伊達子、つばめ、喜代駒、駒千代源一、正三郎、天雷、天菊等

9月21日 ▲演藝蟻の會 廿一日夜より五日間根津歌音本に、出演者は 山陽、圓生、一馬、楽浦、喜代駒、駒千代、つば女、天雷、天洲、時次郎、とし松、源一、正三郎、馬石、猿司、伊達子、花山

10月21日 ▲神田喜楽 廿一日より五日間万歳大會
茶福呂、花子、花輔、デブ子友衛、安子、茶目鶴、仲二、六郎、若子、歌道楽山村連中

10月22日 ▲帝京座 新加入は 万歳若松家正三郎、玉子家源一、柳家美代子、柳家亀八、笑福亭花子、同茶福呂

▲江川大盛館 新加入は 隆の家百々龍、堀込小源太、水中美人天旭齋天栄、柳亭芝楽等

11月21日 ▲萬歳研究会廿一日夜より五反田第一大崎館に、出演者は 源一正三郎染次染團治、もと子圓十郎、三代孝亀八、談之助源六、百々龍小源太繁子一休、松江大正坊主

11月29日▲萬歳研究会廿九、丗の両夜六本木の歌舞伎に、出演者は 百々龍小源太、芳江美代子、立花圓十郎、正三郎源一、三代孝亀八、はま子大正坊主、繁子一休、瀧奴瀧夫

(更新中)

・ラジオの発展

 1925年3月22日、JOAK(NHK東京第一ラジオ)が開設され、ラジオ放送が開始された。当初は実験的な放送演目が多かったが。視聴者の増加や放送技術の向上により、演芸放送も増えるようになった。

 しかし、漫才は「下品」「新興」と見なされ、落語や浪花節などと比べ、不遇な扱いを受け続けてきた。以下は漫才が国民的な人気を得、ラジオに出演の人気番組になる前に、関与をした漫才師たちの一覧と放送演目である。こう見ると、漫才単体が殆どなく、「安来節」や「吹き寄せ」といった出演の方が多いことに気づかされる。

1926年

 4月10日 『俚謡雑曲』(午後9時〜)で、大和家八千代一座がJOAK(NHKラジオ)に出演。「小原節、安来節、鴨緑江節」を披露。
出演者は大和家八千代、春子、清子、大和家かほる。尺八・大和家信夫、鼓・大和家すみ子、三味線・林若次。

 7月24日 桂金吾が『安来節』(午後8時頃〜)の太鼓方としてラジオ初出演。但し漫才を演じることは無かった為、漫才放送としてはノーカウントである。
 他の出演者は、唄・大社捨子、山崎光子、松江検鶴子、小原節・中山喜一郎、鼓・多納花子、尺八・佐々木清太郎、三味線山崎政子。

 8月24日 東喜代駒・喜代志、『滑稽掛合噺』(夜8時〜)でラジオ初出演。東京漫才における最初の放送でもあった。演目は『難題問答』『鴨緑江節』『数え歌』『越後獅子替歌五段返し』。

 9月25日 大和家かほる、『安来節』(午後8時半頃〜)の歌い手として出演。

1927年

 3月10日 柳家梧楼(リーガル万吉)、『擬宝珠』(午後0時10分〜)でラジオ初出演。この時はまだ落語家としての出演であった。『擬宝珠』は先年柳家喬太郎が復活させ、今では人気演目になっている。

 6月13日 大津お萬が『安来節』(午後8時30分〜)でラジオ初出演。この頃にはもう浪曲物真似を得意としていた。

 7月3日 橘ノ円十郎、滑稽掛合噺『演藝デパート』(午後3時10分〜)に出演。
 他の出演者は橘ノラジオ、青柳燕之助。

 8月12日 大和家八千代、『安来節』(午後8時〜)に出演。当時の人気を伺わせる。

 8月21日 橘ノ円十郎、漫劇『芝居行脚』に出演。メンバーは橘ノラジオ、青柳燕之助。

 9月4日、大和家かほる・玉子家つや子、『歌道楽浪花萬歳』(午後3時半〜)に出演。名称が仰々しいがその中身は普通の音曲漫才であった。諸事情のため、『萬歳』と名乗れずこのような形になった、という。
三味線方に西村源一。

 9月11日 大津お萬『浪花節物真似』(午後3時半〜)で、ラジオに出演。天中軒雲月『安兵衛婿入り』宮川左近『天野屋利兵衛』篠田實『五郎正宗』木村友衛『河内山』などを語った模様。

 9月30日 雷門助六、春風亭柳枝の主宰で放送落語劇『松竹梅』(午後7時25分〜)を放送。滑稽噺『松竹梅』を喜劇風に仕立て上げた。この中に春風亭枝雀が出演している。

その配役は、
鳶頭松五郎  雷門助六
大工竹次郎  春風亭柳橋
左官梅吉   春風亭枝雀
女中お花   雷門善六
伊勢屋久兵衛 春風亭柳昇
隠居吉兵衛  春風亭柳枝

 10月14日 大津お萬、『安来節』(午後9時10分〜)に出演。前座に大津豆子という子供の歌い手が出演しているが、この子は大きくなって、冨士蓉子と改名した。

 11月6日 橘ノ円十郎、掛合漫劇『穴手本集珍蔵』(午後1時〜)に出演。タイトルは『仮名手本忠臣蔵』のもじりである。
他の出演者は、橘ノラジオ、橘ノ百円、橘ノ立花、桜川仙平、青柳燕之助。百円は後年落語家に戻り、橘家圓太郎を名乗った。奇人として有名である。

 11月13日 春風枝左松・三升家三喜之助、音曲『浮世節』に出演。

1928年

 2月26日 橘ノ円十郎、掛合噺『カフエ馬鹿囃子』(午後2時40分〜)に出演。
 他の出演者は、橘ノラジオ、柳亭左喬。

 3月4日 水茶家博次・博多家人形、『地方俚謡大会』(午後8時15分〜)に出演し、『博多節』『佐賀の梅ぼし』『肥後節』『熊本節(おてもやん)』を披露。

 4月5日 大津検花奴、『安来節』(午後8時半〜)に出演。安来節の花形として紹介されている。
 他の出演者は、唄・出雲家米子、森山淺乃、三味線・奥井市三郎、尺八・田村春雄、鼓・秋田新市

 5月1日 水茶家博次・博多家人形、『博多小唄』(午後8時〜)に出演。『黒田節』『島田金谷』『俺が国さ』『博多四季』を披露。ここまでは漫才、女道楽というよりも邦楽鑑賞の趣が近かった。

 6月30日 春風枝左松・三升家三喜之助、『吹寄せ』に出演。三味線二挺抱え、長唄清元常磐津義太夫端唄小唄流行歌なんでもありの作品を弾き語った。

 7月8日 水茶家博次・博多家人形、『端唄』(午後8時〜)に出演。『夏は蛍』『エンカイナ』『伊予節』『新作掛合都々逸 痴話喧嘩』を披露。ここから掛合漫才風のネタを演じるようになり、笑いに重点を置くようになる。前述の『痴話喧嘩』は人形博次時代の大当たりのネタで、レコードにもなった。

 7月22日 橘ノ円十郎、掛合漫劇『藝のなる木』(午後2時20分〜)に出演。
 他の出演者は、青柳燕之助、橘ノ百円。

 8月31日 水茶家博次・博多家人形、『博多節』に出演。『博多節』『ガラガラがき』『ぼんち可愛や』『祝ひ目出度や』『博多四季』『掛合都々逸 新世帯』を披露している。

1929年

 8月12日 東喜代駒・駒千代、『掛合音曲』に出演。『館山節』『深川くづし』『滑稽浪花節』『塩原多助』を披露。

 9月6日 桂金吾・花園愛子、ラヂオ風景『走馬燈』に萬歳師の役として出演。『煙草づくし』なるネタを披露した。
 この作品は吉井勇の『俳諧亭句楽』を下敷きにしており(吉井勇が放送指揮をとった)、句楽たちが昭和の浅草に紛れ込んで、その風俗や流行に驚く、というコメディータッチのドラマであった。
 他の出演者は、落語家句楽(小堀誠)、落語家焉馬(大矢市次郎)、講釈師典凌(菊池正之助)、講釈師貞龍(伊志井寛)など。

1930年

 2月1日 水茶家博次・博多家人形、『音曲五つ』(午後0時5分〜)に出演。『御座付き』『恋の神楽坂』『伊予節』『根無草』『登山小唄』を披露。

 2月23日 春風亭枝雀・花菱、『小唄レビュー』(午後8時〜)に出演。花菱は枝雀の弟弟子。

 6月8日 東喜代駒・駒千代、『困つた代物』に出演。レビューを看板に、しゃべくり漫才風のネタを展開した。この頃から漫才の萌芽がみえるようになる。

 9月7日 『俚謡俗曲大会』(午後0時30分〜)に、大和家八千代『安来節』、鉢呂八重子『追分』、大津お萬『安来節』出演。

 10月4日 水茶家博次・博多家人形『音曲吹き寄せ』(午後0時5分〜)に出演。『秋草』『弓張月』『浅くとも』『肥後節』『俺が国さ』『黒田節』『筑後節』『アルプス小唄』を披露している。

 11月16日 三升家三喜之助、『ふきよせ』に一人出演。清元『春雨』、『御座付き』、『ほととぎす』『都々逸』、『文弥くづし』、大津絵『三味線七不思議』、『木更津甚句』を披露。

 11月29日 東喜代駒・駒千代、掛合噺『赤穂事件』に出演。赤穂浪士の寸劇から『唐人お吉』『祇園小唄』『銀座小唄』『銀座セレナーデ』などの替え歌を披露。

1931年

 4月16日 大津お萬、俗曲『吹き寄せ』(午後0時5分〜)に出演。三味線は、後年漫才師になる松本庫吉が担当した。

 5月21日 東喜代駒・駒千代、『掛合噺』に出演。『二つ三つ四つ』『知った振り』『都々逸』『深川くづし』を披露。

 10月19日 朝日日出夫・日出丸、滑稽掛合『家庭ジャズ』(午後0時5分〜)でラジオ初出演。純然たる東京漫才としては、喜代駒、かほる・つや子に次いで3組目。

 12月16日 東喜代駒・駒千代、掛合噺『呑気なもんだね』(『親父はダー』とも)に出演。この漫才には喜代駒の三女、マツ子も出演。『子供は正直』『商売往来』『アパートの忘年会』といったコント風の漫才を展開。

1932年

 4月8日 東喜代駒・駒千代、掛合噺『金のなる國』に出演。金の有り余る国で起こるドタバタを歌謡曲やお笑いにして一席のストーリーにしたもの。喜代駒の三女マツ子、それに東貞水なる人物が参加している。ご遺族によると「この貞水さんは喜代駒の妻の弟だった気がします」。

 8月8日 東喜代駒・駒千代、掛合噺『人生いい加減な道』に出演。銀座の風景を中心にしたレビュー調の漫才を展開。このとき「マンゲキ」なる名称を用いている。

 12月10日 東喜代駒・千世子、掛合噺『いいぢやありませんか』に出演。京都篇、東京篇の二部構成の作品。千世子は東駒千代の改名。

 12月29日 朝日日出夫・日出丸、掛合噺『運勢判断干支萬歳』(午後0時5分〜)に出演。この頃には音曲漫才からしゃべくり漫才へと移行し始めている。

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